赤ちゃんのスキンケアについて

皮膚は、皮膚の内側の水分の蒸散を防ぎ、外界からの異物(アレルゲン・細菌など)の侵入を阻止するバリアの役目をして体を守っています。これを皮膚のバリア機能といいます。皮膚バリア機能の維持には皮膚の最外層である表皮が最も重要な役割を果たしています。表皮では、皮脂・セラミド・アミノ酸などの成分が表皮内の水分を逃さないことでバリア機能を保持しています。
赤ちゃんの皮膚は、大人の約半分の厚さです。表皮の厚さは約0.1mmしかありません。したがって外部からの刺激が皮膚の内部にまで容易に侵入しやすい状態です。またバリア機能に重要な皮脂やセラミドなどの成分は皮膚が薄いため少なく、水分や脂分を維持するのが難しい状態で、すぐに乾燥してしまいます。このように赤ちゃんの肌は、乾燥しやすくトラブルを起こしやすいと言えます。そのためにスキンケアはとても大切で必要です。
スキンケアの役割
スキンケアには、の3つの役割があります。3つ全てが同じくらい大切です。
- 肌を清潔に保ち(洗浄)
- うるおいを与え(保湿)
- 紫外線のダメージからからだを守る(UVカット)
洗浄(清潔)
お風呂ではせっけんをよく泡立てて、手で洗ってあげましょう。スポンジやガーゼやボディタオルは赤ちゃんの肌を傷つける可能性があるので注意しましょう。
保湿
お風呂上りは10分以内に保湿剤を塗りましょう。こまめな保湿が大切です。
保湿のタイミングは
- お風呂あがり
- おむつ替えのとき
- 汗をふいたあと
- ミルクや食事のあと
- おでかけ前
赤ちゃんはよだれや涙、汗などが多く、これらをふき取るときの摩擦などでもさらに皮膚を刺激してしまいます。やさしく洗ったりふいたりしてから、そのつど保湿しましょう。
紫外線から守る
帽子や衣類、日よけなどで、直射日光を避ける対策はもちろんですが30分位日に当たる可能性がある時には露出部分に赤ちゃん用の日焼け止めを塗りましょう。
アトピー性皮膚炎
どんな病気?
①痒みがあり,②左右対称に湿疹が出現し,③慢性の経過(通常は6か月以上、乳児は2か月以上)と良くなったり悪くなったりの反復性を示す。以上の3つの基本項目を満たすものをアトピー性皮膚炎と診断します。
アトピー性皮膚炎の患者さんの多くがアレルギーを起こしやすい体質(アトピー素因)を持っています。このアトピー素因に皮膚のバリア機能の低下やさまざまな環境条件が重なってアトピー性皮膚炎を発症すると考えられています。
環境条件には、ダニやほこり、タバコの煙、食べ物、動物の毛、汗、シャンプーや洗剤、風邪などの感染症、生活リズムの乱れなどがあり、さまざまなものが病気を悪化させる要因になります。
症状は?
皮膚炎は、顔・首・ひじの内側・膝の裏側などによく現れますが、ひどくなると全身に広がります。軽症では、皮膚が乾燥していて痒いだけの症状のこともありますが、かきこわして悪化すると皮膚がむけてジクジクと浸出液が出たりします。大きな特徴は、良くなったり悪くなったりを繰り返すことです。
治療は?
アトピー性皮膚炎に対する治療には以下の3本の柱があります。アトピー性皮膚炎は色々な要因が影響しあっている病気なので、以下の3つの全てが重要です。
- 悪化因子を取り除く(室内のそうじ、換気、家族の禁煙など)
- スキンケア(皮膚の清潔と保湿、適切なシャワー・入浴など)
- 薬物療法(患部へのぬり薬、痒みどめの内服薬など)
薬物療法の外用薬としては、保湿剤・ステロイド剤や免疫抑制剤などがあります。ステロイド剤には炎症を強く抑える作用があります。かゆみを抑えるために抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬の内服薬を補助的に用いることがあります。
治療のゴール(目標)は、症状がないかあっても軽度で、日常生活に支障をきたすような症状の悪化を抑えることです。適切な治療とたゆまぬスキンケアが極めて大切です。
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